隠し玉。
先日キュウと2人、東京にカンバックして家族の再会を喜び、冷えきったタマコハウスに風を入れてまずは茶でも飲もうとなにげなく食器棚に目をやると、見知らぬ小皿が鎮座ましましているのが見えました。
「おや、この小皿はどうしたもんかな、もし。」
「は。これは倉敷の古物商にて求めました、李朝後期の小皿におじゃります」
「ほおう、用途は何かな、もし」
「へえ。銘々取り皿に都合がよろしいかと」
「ほ。取り皿はもう溢れるほどあると思っていたが」
「は。この手のものは初めてでごじゃり、これを逃す手はないかと」
「ほん。それでいくら程じゃ」
「は。いくらだとお思いになりますか」
「いくらじゃ」
「へえ。5000円にごじゃります」
「ウソをつけ」
「は。40000円にごじゃります」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「その金はどこから工面したか」
「は。それがしの小遣いからで」
「うぬの今月の小遣いはとうにのおなっておるぞなもし」
「は。くれじっとかーどなる者で支払いの方は滞りなく」
「来月の請求で滞るが、もし」
「は。そちらは皆の貯蓄のほうから融通できるかと」
「割るか切腹かどちらがいいか」
「きゃっ。なにとぞ、なにとぞー」
「許せぬ、もはやうぬにつける薬はない。辞世の句を詠むがいい」
「きゃあ。払いますっ、実は隠し球があるのでおじゃりますゆえ、なにとぞ~ぉ~ぉ」
・・・かくして、男が貯金箱より出したる隠しだまとは、500円だま80枚、40000円分でした。どこまでも手間をとらせる気でいます。
私は先ほどから、その積まれた500円玉を前に家計簿をつけているのですが、年末年始の散財に眉間の皺は刻まれっぱなしで眼光は鋭く。ふと視線を感じ顔をあげると、キュウが地蔵のような顔をしてこちらを見つめておりましたので、あわてて顔をつくろうとすると、ひきっつった笑顔に乾燥した唇が切れ、挙句キュウには無視されました。頑張ろう、自分。
| 固定リンク



コメント
隠し球があるだけ、すばらしき夫かな。
投稿: aya | 2008年1月20日 (日) 22時54分
は。返す言葉もごじゃりません・・・。
投稿: hiropon | 2008年1月21日 (月) 17時36分