最近できた友人が、都内の家の庭でハチを飼っているというからおどろいた。
「サクッと飼えるよ。見にきなよ。」というから
いずれハチを飼いたいと思っていた私は、こりゃぜひ見に行かなならんと
すぐさま鼻息荒く見に行ってきた。
彼女はなんと以前私が住んでいた練馬区の下石神井の、これまた古い平屋に住んでいて、以前に知り合っていたら超ご近所物語だった。
それはいいけど、ひっそりとたたずむ平屋のこじんまりとした庭で、彼女は本当にサクッとハチを飼っていた。
茶をすすりながらふと横を向けば、窓からいつもハチが見える生活。
部屋のそこここにハチミツや巣やミツロウがある。
良い匂いにドキドキした。
私は初めて見るハチ飼いと巣箱、住人のハチ達の動きを目を皿にして観察し、一人でフンフン興奮していた。
そして彼女からハチの生態やその働きぶりを聞いたり、本を買って調べたりして、もうおどろくこと限りなかった。
ハチ、働くにもほどがあるよ?といった感。
いつも「ああ、ハチミツ高いなぁ。もっと安くならんかね。」と思っていた自分をブッてやりたい。
私達が口にするスプーン一杯のハチミツは・・・、
1匹の働きバチが、来る日も来る日もせっせと集めたとして、なんと50日もかかるのだという。
それには少なくとも10万個を超す花を訪れなければならないのだそう!
ちょっと、それ時給にしたらどんだけ安いの・・・。
そしてそれに対してハチミツ、安すぎ。(すぐ金勘定する。)
掃除をする人、育児や女王の世話する人、巣作る人、蜜や花粉集める人。
皆、誰に言われるともなく自分のやるべき仕事を懸命にし、働いて働いて(働きバチは全員メス!)、40日ほど働きぬいたある日、ポトっと死ぬ。そして、その仲間の死骸を遠くに運ぶ人。
ミツバチ王国に女王は1匹しか存在してはならず、王座をめぐって繰り広げられる闘争。
女王は他のメスバチには卵を産ませない。
いずれやってくる政権交代。
天敵スズメバチに襲われる恐怖。
オスバチはなにをしているかというと、普段は働かずに、メスバチに蜜をねだったりしてどうしようもないが、女王と交尾をしたらあんたの役目は終わりとばかりに巣から追いやられてしまう。
・・・ハチ王国の羽の音、諸行無常の響きあり。
なんて格好つけて言ってみたところで、自分の自堕落さはごまかせない。
そう、ハチの働きぶりとシビアで無常な世界に比べたら、自分はなんてのんべんだらりと自堕落な日々を送っているのだろう。
子一人産むのだって、あれこれしてやっとなのだ。
ハチと同じ生物として完全にかなわない。
こんな自分にハチミツを食べる資格があるのだろうか。
これからはハチミツをいただく時は心して、感謝して涙して口に入れよう。と決めても、食べる時にはさっぱり忘れて胃の中だ。
これはもうハチを飼うしかないかも。
いや飼うなんておこがましい。
ハチ様に来て頂き、人生の指南を請おう。
そしてちょっとハチミツもわけていただこう。
ミツロウもとらせていただいて
そのミツロウでろうそくを作って・・・クリームなんかも作って・・・。
ああ、煩悩の海に今日も溺れてしまいそう。

ミツバチの巣箱。箱の中に10枚程の木枠が入っている。

私は刺されたくないので網戸越しに見せてもらう。
(彼女はもう刺されても平気らしい)
木枠の中にハチが巣を作っていた。

ハチミツは食べきれない程とれるそう。
左が春で右が秋にしぼったハチミツ。
季節の花によって蜜の種類が違うため、味も違う。

ミツロウ。(これで彼女はキャンドルも作っていた)

おみやげにもらった。めちゃウマ。
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